IFRSの長所コラム:経常利益がない

2017.05.19 Friday

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     日本基準のもとで経営者も株主も重視している利益概念は経常利益ですが、IFRSの損益計算書には経常利益という利益概念がありません。これは、特別利益や特別損失に対しても経営者が責任を負うというIASBの発想の表れと捉えることができます。経常利益とは程度差はありますが、自然災害への対策などにも経営者は対応の採りようはあります。工場やオフィスを地理的に分散させる、保険に加入する、といったものは容易に考えられます。カントリー・リスクへの対応すらもMBA育成においては経営者の責任として教育されます。また程度問題でそこまでは経営者の責任を問えない、というものがどれであるかは株主総会が判断することであって経常利益という利益概念で一律に括れるものではありません。

     

     一方で日本基準で財務報告をしている日本企業の経営者の多くは経常利益を意識しているでしょうから、そのような企業を分析する際には経常利益は有用ではあります。しかしそのような企業の経営者が特別利益や特別損失への責任を全て免除されてよいことにはなりません。

     

     

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    内閣府のパンフレットを使用

    2017.05.18 Thursday

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       このセメスターの4年生の専門ゼミで、内閣府のパンフレットである『国民経済計算の見方、使い方』を教材に使用しました。ゼミ生はレジュメを作成してプレゼンしてくれました。ある回にこのパンフレットを教材にしたのはゼミ生の卒論執筆に役立ててもらうためです。水谷ゼミでは3年生までミクロ会計を教えていますが、卒論でマクロ会計について執筆してもらうことも可能です。このパンフレットは国民経済計算の基礎が分かりやすくまとめられているというなかなかの品質のものでした。無料で配布されているというところも良い点です。難点は、発行されたのが10年以上前であるために準拠しているのが93SNAであることです。

       

       

      参考文献

      内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部監『国民経済計算の見方、使い方』日本経済教育センター、2003年.

       

       

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      IFRSの長所コラム:非採用国にも開かれている

      2017.05.10 Wednesday

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         IFRS財団は理性を重んじるハーバーマスの討議倫理に沿っており、おそらく意図的です。デュー・プロセスのプロセスそのものに典型的に表れています。しかし討議倫理に沿っているのはこの点のみではありません。日本は少なくともIFRS非採用国であり悪ければ妨害国ですらあるかもしれない (IFRSへの批判ではなく中傷がかなり流されているようであるため) にもかかわらず、日本からの代表たちにもIFRS財団内部の要職に就く機会が開かれているのです。実際になかなかの人数が今までに要職に就いてきました。討議は開かれたものでなくてはならないというのがハーバーマスが討議のルールと主張するものの一部です。IFRS非採用国にも開かれているのは、討議を成立させて理性に基づいた会計基準を創り出すための工夫なのでしょう。

         

         この話は、今年度の水谷ゼミ3年生たちとのディスカッションの中で彼らの持っている疑問への回答としてはっきりしてきたことです。このように意欲のあるゼミ生は教員にとっても刺激となります。アメリカの大学が教育面のみでなく研究面においても先進的なのは、意欲あるアメリカの学生たちのおかげという側面があるでしょう。関東学院を含め日本の大学の学生たちにも意欲的に授業に取り組んでもらえると嬉しいです。僕の側でも極力意欲に応えられるよう努力しています。

         

         

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        「ハッピーエンドの選び方」鑑賞

        2017.05.06 Saturday

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           昨日の午前だったかと思いますが、ヴェネチア国際映画祭の受賞作であるイスラエル映画「ハッピーエンドの選び方」を鑑賞しました。イスラエルは広く芸術に強い国であり映画も例外ではなく良作が多いので、文宣は日本で視聴できる最近のイスラエル映画はかなりの割合で鑑賞しています。この映画は安楽死賛成をメッセージとする映画です。日本語版公式サイトにはユーモアが含まれている旨書かれており、実際にあることはあったのですがメッセージの性質上控えめに感じました。技法には特に目立ったものが見当たらなかったものの、内容は良質でした。ですので五段階評価すれば3つ星です。

           

           この映画をイスラエルで作成できるということはイスラエルはかなり表現の自由が守られているということです。パレスチナ自治区を除けばユダヤ人が多数派の国であるイスラエルではユダヤ教にやや特別な地位が与えられており、ユダヤ教では自殺は教義には違反しているのです。数年前の映画にはレバノン戦争でのイスラエル軍の対応を批判するイスラエル映画までありますから、イスラエル政府と世論はかなりの自由を芸術家に認めているのです。

           

           文宣は日本映画からはジブリのようなアニメを除けば芸術という観点からの良作はあまり見つけられません。メインの理由は営利性が高く娯楽性に走りがちなことだとは思いますが、政府や世論の根幹に背く映画を日本では公表し難く芸術家の創造性が制約されているという面があるのではないかと思います。映画に良作が多い国と言えば何といってもアメリカがありますがやはり表現の自由が保障されている国であり、芸術家の裁量がいかにも大きそうです。

          日本公認会計士協会のゲーム

          2017.05.05 Friday

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             日本公認会計士協会は以前から、「公認会計士 市松雄大」という無料の会計監査ゲームのアプリを提供しています。以前から文宣は授業で言及することはありましたが、自身がローテクなので今までスマートフォンにダウンロードできていませんでした。最近技術力を少し高めることができてついにダウンロードしまして、先ほど一通りプレイを終えました。

             

             サウンド付きであるなどアドベンチャー・ゲームとしての完成度はなかなかのものでしたし、大学での会計学の初心者向け補助教材として向いていた内容でした。いくつかの学会の監事の経歴のある文宣としては、登場する会計士たちと似た行動を採ったことがこれはあるある、と思う点もありそれなりにリアルです。(不祥事を監事の業務中に発見したことは文宣はないです。)

             

             ただし、主人公を含む登場人物の発想に日本文化によるバイアスが入っているとは感じます。例えば、一旦倒産した方が所有者たる株主の利益には即する企業が現実にはあるはずです。また日本にありがちな性善説に近い発想が見受けられますが、キリスト教徒の会計学者として文宣は性悪説を採っていますし実態にもそれが即していると思います。

             

             総評としましては、鵜呑みにはしないようにという前提付きで今後も学生に勧める価値はある教育用ゲームと言えるでしょう。

             

             

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            学会でのオカルト宣伝

            2017.05.03 Wednesday

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               日本国内の学会で懇親会に参加すると、その場で他大学の教員からカルトなるぬオカルトの宣伝を受けることがあります。オカルトの話が直ちに嫌いというわけでもありませんし、僕も関東学院の授業で冗談のネタで幽霊の話をすることもあります。しかし単に話をされるのではなく学会で宣伝をされるというのは対応に困るので少々迷惑です。一方でオカルトの宣伝をしている教員としては、オカルトという意識はないのかもしれません。

               

               ただし影武者ではないくまモンが実在する、ということには異議を唱える気はありません。

               

               

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              英字論文のスタイルに慣れなくては

              2017.04.25 Tuesday

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                 アメリカで発行されている英字論文集は、ほとんどが3つのスタイルのいずれかを採用しています。APA、MLA、シカゴ・スタイルです。この内のAPAを文宣は既に何度か使用したことがあり、APAには文宣はもう一通り慣れています。元アメリカ資本の関東学院は部分的にMLAを採用しており、文宣はMLAも何とか使用できる水準までは慣れています。しかしシカゴ・スタイルにはまだ慣れていません。そして文宣には3つのスタイルで一番難しく見えます。しかし投稿先を広げるためには、シカゴ・スタイルにも早く慣れなくてはなりません。アメリカ英語が書けるだけでは原稿の形式要件を満たせないのです。

                 

                 それでも日本と比べると書式の標準化はされているので、複数の日本語論文集に投稿していくよりは複数の英字論文集に投稿していく方がまだ簡単かもしれません。もちろん二重投稿ではなく、別の原稿や既にリジェクトされた原稿の他誌への投稿の話です。なおイギリスで発行される英字論文集にはオックスフォード・スタイルというものがあったりしますが、このスタイルは文宣にとってはシカゴ・スタイルよりは簡単です。もっとも文宣は日常生活でイギリス英語を使っていないので、イギリス英語を上手く書く自信はありませんが。

                 

                 

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                北東アジアの政情不安の解消を望む

                2017.04.18 Tuesday

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                   朝鮮民主主義人民共和国の核開発とそれに対応した朝鮮半島への米軍の空母再配備で北東アジアの政情不安が高まっています。武力紛争に発展してさらにプーチン政権が朝鮮民主主義人民共和国を支援すれば、紛争は深刻なものになるでしょう。(朝鮮民主主義人民共和国か支援者のプーチン政権が紛争を複雑化しようとしてアメリカ以外もあえて攻撃対象にするかもしれません。)

                   

                   日本も戦場になった場合には、日本は全面的には安全保障をアメリカに任せてはいないという事情のため、僕のように自衛隊に不満のある人々も自衛隊の保護に頼らざるを得なくなるかもしれません。どの国とも全面的な安全保障条約を結んでいないという法制度の欠陥のためなので良心上の問題はセーフではあるとしても、望ましくはありません。(世論がそうなることはないでしょうが、一切軍事力を置かないという選択肢も論理上はあり得ますが。)しかし仮に有事になろうとも、朝鮮半島を植民地支配してしまった歴史のある日本は積極的には朝鮮民主主義人民共和国と戦闘をするべきではありません。

                   

                   理想は、朝鮮民主主義人民共和国が警戒心から核開発を停止することです。そうなれば北東アジアの政情不安はかなり解消されることでしょう。また空母再派遣はあくまで朝鮮民主主義人民共和国による軍拡の抑止目的にとどまっていてほしいものです。

                  2017年イースター

                  2017.04.16 Sunday

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                     ハッピーイースター!今日は2017年のイースターですので、関東学院教会の夕礼拝に出席してきました。神学に裏打ちされた説教を聴くことができました。

                     

                     イースターの動物といえばウサギですが、山形鉄道のピーター駅員が数日前にお亡くなりになり残念です。

                    ITパスポート合格

                    2017.04.14 Friday

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                       先月、ITパスポートを初受験したところ、今日の合格発表で合格が分かりました。受験の最大の理由は、会計とITを結び付けた学会報告を計画しているので、その際に説得力を持たせるべく最低限のITの知識を持っている証明がほしかったというものです。また、ITパスポートの学習を通して、学会報告に役立つ知識の獲得ができました。副次的な受験理由は、関東学院は学生の皆様にITパスポートの取得を勧めていますので、勧める側として自分も持っていると示せるようになりたかったというものです。

                       

                       

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