IFRSの長所コラム:経常利益がない

2017.05.19 Friday

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     日本基準のもとで経営者も株主も重視している利益概念は経常利益ですが、IFRSの損益計算書には経常利益という利益概念がありません。これは、特別利益や特別損失に対しても経営者が責任を負うというIASBの発想の表れと捉えることができます。経常利益とは程度差はありますが、自然災害への対策などにも経営者は対応の採りようはあります。工場やオフィスを地理的に分散させる、保険に加入する、といったものは容易に考えられます。カントリー・リスクへの対応すらもMBA育成においては経営者の責任として教育されます。また程度問題でそこまでは経営者の責任を問えない、というものがどれであるかは株主総会が判断することであって経常利益という利益概念で一律に括れるものではありません。

     

     一方で日本基準で財務報告をしている日本企業の経営者の多くは経常利益を意識しているでしょうから、そのような企業を分析する際には経常利益は有用ではあります。しかしそのような企業の経営者が特別利益や特別損失への責任を全て免除されてよいことにはなりません。

     

     

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    2017.05.19 Friday

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