教育用事例:リトルリッチマン

2020.02.04 Tuesday

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     アナログ・ゲームであるボード・ゲームについては以前から教育に活かしている僕ですが、最近、会計気亮業でデジタル・ゲームの話をしました。そこで今回の記事は、経営シミュレーション・ゲームであるリトルリッチマンについてです。リトルリッチマンはインゲームという企業が配信しているオンライン・ゲームです。基本プレイ無料なので、僕も楽しんでいます。ただし、僕の楽しみ方は平均的なユーザーと多少違っている可能性が高いです。僕は、現実の経営と見比べて合致度を見るのを楽しんでいるという側面が強いのです。リトルリッチマンのシステムがどうなっているかは公式サイトで公表されているので、ネタバレを気にする必要なくこの記事は書くことができます。

     

     プレイヤーは経営者としてプレイしていきます。ログインしていない時に経営を任すため、執事という名称の代理人を雇うことができます。しかし執事によっては怠けます。僕はプリンシパル=エージェント関係の専門家ですが、執事が怠けるのはエージェンシー問題に該当します。ある程度ゲームを進めると、各事業に中間管理職たる店長を雇うことができます。店長は一般の従業員の士気を高めます。『経営理論大全』にもあったモチベーションを高めるという中間管理職の役割の一つが表現されています。土地については投資というカテゴリーで扱われており、事業資産ではなく金融資産扱いと見受けられます。土地には労働力の投下がないので、会計学からして適切な分類です。ちなみにIFRSでは土地を時価測定するという金融資産にふさわしい会計処理が可能であり、インゲームの経営者はIFRS採用国である中国の方が務めていた時期がありましたから、出やすい発想だったのかもしれません。現在のインゲームの経営者がどのような方かは僕は把握していません。

     

     ここまでは現実の経営と合致しているのですが、逆に合致していない点もあります。その典型の一つは、財団から営利企業にお金を回せる、つまり財団であるにもかかわらず配当できてしまうことです。ゲームとしての娯楽性を高めるためにこのような仕組みとなっているのでしょうから、やむをえないことではあるのでしょう。また、ゲームを進めていくと他企業の株を買えるようになるのですが、ポートフォリオを組めません。他企業が倒産することはないのですが、倒産がありうる現実においてはリスク分散に関して問題が生じます。倒産が起こりうるようにするとゲームが複雑になるため、あえて倒産はしないようにしたのでしょう。

     

     なお、リトルリッチマンに登場する人物たちは2から3等身なのでかわいいです。さらにはペットまで登場し、かわいいは正義です。オンライン・ゲームにありがちであろうことですが、インゲームによるイベントも頻繁に実施されており、力が入っています。インゲームとしては課金をするユーザーから収益を得ている中で、課金をしなくても十分に楽しめるのは僕のようなユーザーにとってはありがたいです。

     

     何かしらの経営シミュレーション・ゲームをプレイしている方々には、現実の経営、特に会計の側面、との見比べという観点も持っていただけると会計学者としては嬉しいです。もちろん、他のオンライン・ゲームについてもそうですが、リトルリッチマンをプレイしたい方々は事前にウイルス対策ソフトをPCにインストールしておくのがよいです。

     

     なお、Six Wavesという企業がリッチマスターというゲームを配信しており、リトルリッチマンとリッチマスターとの間には類似点もあるようです。しかし、リッチマスターは街づくりゲームなので関東学院を含むどこかの大学の経営学部で学ぶ学生や学んだ卒業生の多くの関心とは方向性が違いそうです。例外は、経営学部内部で都市計画を専門にする専門ゼミの関係者でしょう。法学部は大学によっては街づくりを扱っていますので、もしかすると法学部の関係者にはリッチマスターの方がリトルリッチマンよりも関心に合っているかもしれません。

     

     

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    2020.03.30 Monday

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