SATの長所

2020.05.18 Monday

0

     日本には大学入試についてセンター入試がありますが、アメリカにはSATがあります。センター試験を実施しているのは独立行政法人なので政府機関です。一方でSATを実施しているカレッジ・ボードは法的には政府機関ではなく、IRSにForm 990を提出する民間非営利組織 (NFP) です。さらには実態としてもカレッジ・ボードは民間非営利組織と言ってよいかもしれません。

     

     僕は例年15回ある正課の授業では職務遂行上の必要性がない限り、関東学院はキリスト教主義の大学ですからキリスト教色という宗教色はあっても、特定の政治色のある話をほぼ避けています。経済政策や社会福祉政策についてはしばしば触れているかと思いますが、その際も特定の政治色を押し付けないようにしているつもりです。このことは学内の他の教員もなぜか知ってくれているようです。 (文科政策について触れることもまれにあるかと思いますが、押し付けはやはりしていないつもりです。) そして大学入試においても、その試験形態は様々ですが、特定の政治色は極力避けるべきだと考えています。このブログを時々見てくれている方々は僕が経済上は中道左派で外交上は親米だと気づいてくれているでしょうが、以前にブログにも書いたでしょうが一定の場合にそうした話を自ら避けています。マックス・ウェーバーの影響もあるかと思います。しかしウェーバーの発想とは別に、学生や受験生には政治については自発的な意見形成をしてほしいのです。

     

     日本のセンター試験には特定の政治色、後述の理由により右派のもの、があるのではないかと疑わしい試験問題も出題されています。政府系の入学試験であれば、中央政府や地方自治体が望む特定の政治色が現れるのは回避困難です。左派の政治色がある試験問題の出題も避けるべきと思いますが、現実問題としては特に対策がなくても出題されないでしょう。たとえば僕が少なくともほぼ賛同しているあるWSJの記事 (どの記事か見当がつく方々もいるでしょう) の和訳が国語あたりで出題されたとしたら、入学試験のあり方としてやはり望ましくないでしょう。ただしそうした問題を出題しようとは日本の政府機関はまずしないでしょう。もちろん試験問題に向いているWSJの記事は多々あるでしょうが。

     

     SATのように日本のNFPが試験を実施すれば、特定の政治色を避けることが比較的容易になるでしょう。日本における受験者のための試験問題を日本のNFPが自力で出題していくというのは、理想に感じる方々がいるかもしれません。しかし日本ではNFPの社会への影響力が弱いので実現は困難でしょう。もし実現できても文科省の権威が強いので特定の政治色を完全になくすことはできないでしょう。

     

     そのことを踏まえれば、海外のNFPに試験実施を任せるのが一番特定の政治色を薄めやすそうです。そうしたNFPの基盤はあくまで海外にありますからね。海外のNFPの日本支部は色々とあり、日本で活動を続けられているのは基盤が海外にあるから日本国内からの支援が少なくても何とかなっているということもあるでしょう。そのため、試験実施においても不可能でもないかもしれません。皆様は大学入試において、どうすれば特定の政治色を回避できると思いますか?論拠は何ですか?

     

     なお、学内の教員をはじめセンター入試のための雑用をしてくれている大学教員たちには、僕は感謝しています。入試にかかわる政府機関には、特定の政治色を押し付ける意図なしに働く公務員やその他関係者の方々もいらっしゃるだろう、とも思っています。あくまで僕は何らかの政府機関が全体として特定の政治色を入学試験に持ち込んでくることを警戒しているだけです。

     

     

    JUGEMテーマ:学問・学校

    スポンサーサイト

    2020.05.31 Sunday

    0
      コメント
      コメントする